4.新年と温泉 |
翌日は快晴に。昨日観測していた人たちの大部分は今日帰ってしまった。ちょっと申し訳ないような快晴だ。 なにはともあれ、朝9時半ごろ温泉に朝風呂としゃれこんだ。ここの岩風呂、広さはプール並でゆうゆう泳げるアラスカサイズだが、なにせ冷たい。聞いた話では日によってだいぶ温度が違うようだ。この日ははずれだったらしい。 それでも温度の高そうなところを探して、一面の雪景色を見ながらのんびりしていた。温泉はどこで入っても良いものだ。 |
7.覚えた違和感に |
かくしてチナ温泉は終わった。 オーロラはほとんど見ることができなかったが、それ以上にこのロッジに対してはどうしても感じる違和感を振り払うことができなかった。どうも違う。自分のいるべき場所では無い気がした。 オーロラほとんど見えず。 昨年は運が良かったということをいまさらながら感じる。 特Aクラスなんてそうそうあるもんではないのだ。 さて次はベテルス。昨年いろんな思い出をくれたところだ。 仕切りなおしといきたいが・・・・ |
6.ある中年夫婦 |
下山後、山頂で話をしていた中年夫婦と一緒にオーロリアムという山の中腹の小屋でもう一縷の希望を胸にもう少し寝ずに待ってみる。 面白い話が聞けた。 その夫婦は昔から山好きで、いろんな山を登ったそうだ。だんなのほうは、8000m級の山に登頂したこともあるそうだ。新婚旅行がアイガーにモンブランだそうで、恐れ入る。 毎年必ず山関係の知り合いが何人か遭難するそうで、「今年は何人死ぬかなぁ」と平然と語っている。海外ではなく日本の雪山で遭難するらしい。 だんなも一度雪崩に巻き込まれ、窒息死寸前のところをかろうじて難を逃れた友人に助けられたとか、あるいはパラグライダーで墜落して1ヶ月意識不明になり片肺が無いとか、一見そんな夫婦には見えないのだが、とにかく命がけで遊んでいらっしゃるご夫婦だったのである。 遊ぶにもこれぐらいやってみたい。命をかけるぐらい精一杯生きてみたい、とまだまだ甘っちょろい自分を再認識できた貴重な時間ではあった。もちろんオーロラは見えなかったが・・・あ、雲の向こうに一回出たか。 |
チェナの朝焼け
メインキャビンだったかな
5.悪夢再び |
とっとと夜へ。 今日はあきれるぐらいの快晴。 これは期待大だ。 山頂に登るスノーキャットは決して安くは無いのだが、この天気を見て今日も申し込む。食事している間も出るのではないかと気が気でない。 夜9時ごろ。 待っていたものは現れず、変わりに一番現れてほしくないものが現れた。そう雲、雲雲雲雲雲・・・ スノーキャットで山頂にたどり着いた頃。 空は期待通りの曇り空だった。そりゃもうあきれるぐらい一気に曇った。出てるのは月だけだ。 その雲がご丁寧に、雲の周りに輪を作る。 星に詳しいJESさんいわく、リングという現象で、これも寒い地方でしか見れない、珍しい現象だそうだ。 だが・・・待ってるのは君ではない、募る期待と裏腹に厚くなる雲。今日もまたむなしさだけがロッジを支配していく。 |
チェナ温泉の入り口付近
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