| それはありふれた夏の日の午後のこと 僕は小さな町の、どこから見てもなんてことの無いちっぽけな港に来ていた。 そこには不思議なくらい何も無くって、 でも笑っちゃうぐらい全てがあった。 |


| 僕はその場所が気に入った。 防波堤の一番先にある灯台からは、遠くに大きな島が見えていた。 波はたとえようも無くおだやかで、 釣りをしているおじさんも、イヌを散歩させているおばさんも、 全てが限り無く自然なまま、風景の中に溶け込んでいた。 まるで「空気公団」の曲の世界みたいだった。 |


| 夕刻が近づいていた。 太陽は飽きもせず強い光を放っている。 みんな思い思いに太陽に向かっているようだ。傘でさえぎる人、日差しをまともにうける人。僕はまぶしすぎる日差しを、黙ったまま見つめていた。 |


| かつてはこの港から向かい島へのフェリーが出ていた。 だが、今はもう無い。 いつからか来る人の途絶えた、フェリー乗り場は 今はわずかばかりの釣り人を残すのみ。 |


ありふれた夏の日の午後 −わが故郷−
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