映画 −2003−


17.座頭市(2003年日本)
観賞日 H15.10.11(日) 劇場 渋谷シネパレス
監督 北野武 出演者 ビートたけし、浅野忠信、岸辺一徳、柄本明他
コメント 残念ながら期待以下。

ちょっと中途ハンパだったかも。エンターテイメントにしては面白くない。ビートたけしのギャグセンスは僕にはまったくすごいと思われないので、そういうのてんこ盛だとかえって困ってしまったかもしれないが、それにしてもどうにも退屈であくびが出た。これだったら評判イマイチだった「dolls」の方が潔くって良い。この人にしか出せない「暴力の中に漂う恐ろしいまでの静寂」がさっぱり出てないし、エンターテイメントならしっかりしていなければならない根幹のストーリーが不充分かつ陳腐。服部夫婦の葛藤がイマイチ描かれてないし、夫婦と旅芸人姉妹どちらか一つに絞った方が良かったのでは?ボスも柄本明で終わった方が良かったな。

タップダンスだとか家を建てるシーンの見立て方などは秀逸。ちょっと「シティ・オブ・ゴッド」を思い出した。さすがに凡庸な人では無い。でも、ちょっとピーク越えちゃってるのかねぇ。コメディアンとしては嫌いでも映画監督としては高く買ってるので、ぜひまた北野ブルーに染まる淡々とした味わい深いのをやってほしい。

そうそう今回音楽が久石譲では無い。これって無茶苦茶大事なターニングポイントでは?確かに暴走久石君を気にする必要は無くなったが、やっぱ無いと寂しかったりするんだよね。ここで久石君ならどういう音を入れてくるか?なんて思わず想像したりしてね。
16.英雄−HERO−(2002年中国)
観賞日 H15.9.21(日) 劇場 池袋シネマ東急
監督 チャン・イーモウ 出演者 ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チェン、チャン・ツィイー他
コメント 評判が芳しくないので、どうかなぁと思ったが、なかなか良いでは無いか。確かに回想シーンを自己満足的に作りこみすぎているきらいはあるけれど、あれだけアクション系に走りながらベースとなる部分でがチャン・イーモウ色を失っていないところが見事。退屈だと言う人はたぶん普段チャン・イーモウ作品なんて見たことも無くて、ハリウッドアクションムービーか何かと勘違いされた方が言ってることでしょう。

戦国時代末期。。諸氏百家の時代。戦乱にあけくれた時代であったが、魅力的な思想家を数多、きら星のごとく輩出した非常に魅力的な時代。秦王政はこの時代に終止符をうった覇者・・・というか梟雄である。

秦は他の春秋諸国に先駆けて中央集権による徹底した法治国家であった。商鞅というおっさんが秦の法制を劇的に変え、組織、犯罪等法によって厳格に規定したのだ。何人も法には従わなければならない。たとえ王であっても。この制度を導入した商鞅はこの制度のために憤死したという笑えない話もある。この作品のラストシーンで秦の軍勢が秦王政に詰め寄るシーンは明らかにそれを意識している。これによって民を機械的に支配する体制を固めた秦は一気に覇者の階段を登っていく。だが余りに厳しすぎた法制は民の反感を招き、統一で思いあがったバカ皇帝の失政もあって、即位後15年、政の死後4年で秦はあっけなく滅ぶ。

つまるところ、この作品に出てくる政は現実の政とは違う。彼がほんとにこの作品中の人物のようであったなら、わずか数年で滅ぶはずが無い。チャン・イーモウもそのへんのところは良くわかっている。ここには現在の中国に対する遠まわしな批判(あるいは諫言)が込められていると読むのは深読みしすぎだろうか?「天下」という文字、チャン・イーモウはこの2文字を残剣に書かせるためにこの作品を作ったような気がしてならない。

そうチャン・イーモウがこの作品で描きたかったものは、始皇帝暗殺の史実では無く(それならライバル、チェン・カイコーが先にやっている)、ただそれを材料にして、為政者の理を描きたかったのではないか?民あっての国家、ことさら目新しい発想ではないが、やはり一番大事な要素なのだ。アクションムービーと華麗な絵はため息ものだが、あえてそれを添え物だと断じよう。チャン・イーモウ作品がただのアクションムービーであるはずが無いのだ。

古来、中国においては思想家も武人も思想、義理、礼節に生きた。たとえ戦力で劣っていても、川を渡ってる最中に攻撃するのは卑怯だからと、渡河後に正々堂々の戦いを行って、惨敗を喫したような故事はいくらでもある。秦王政以上にゴミクズの織田信長のごときカスや勝つためなら手段を選ばない宮本武蔵のごとき奸物をありがたがっている日本という国を見ていると、やはり中国には勝てないかなぁと思ってしまう。
15.トーク・トゥ・ハー(2002年スペイン)
観賞日 H15.8.10(日) 劇場 池袋シネリーブル
監督 ペドロ・アルモドバル 出演者 レオノール・ワトリング、ハビエル・カマラ他
コメント でも、結局ストーカーなんだよな。
パンフの宮本亜門と違って社会通念や常識にとらわれる僕には所詮ストーカーがめいっぱいストーカー行為を働いた挙句・・・というようなストーリーにしか見えない。アルモドバルはいつもこうだ。感情移入しにくいならまだしも生理的に嫌悪感を催すようなキャラクターを引っ張ってきて、泣けとくる。これがこの監督を好きになれない理由だ。

だが、この監督の映像表現は一流。さすが巨匠と言われるだけあって、映像全体からあふれる美しさ、匂いたつような色気はすごい。またストーリーの構成力もすごいし、よく出てくる劇中劇の取りこみ方など実に効果的。ちなみに一番気に入ったのはアリシアの○○○た後の表情がすっかり変わっていたこと。パンフにあるとおり相当意識して演技してるようで、それが実に効果的だ。これがベニグノの優しさから来るといわれるとちょっと複雑な気分だが、この表情だけで僕は一発でこの人のファンになりました(笑)。「オール・アバウト・・・」のペネロペ・クルスと一緒で、女性の見せ方はやはりスゴイ。

結局んところ問題なのはキャラ設定だけなのだ。本作でも問題なのは主役のベニグノだけ。でもこの監督がまっとうなキャラを主人公に据えるとこの人じゃ無くなっちゃいそうだ。難しいねぇ。「オール・アバウト・マイ・マザー」との比較だと映像の洗練度では今作が上だが作品全体としては「オール・・・」が上かな。なんせあっちは変なキャラクターいろいろいたけど、主役が一本筋の通ったマトモなおばちゃんだったから。
やっぱり主役は大事なのだ。

ちなみに少しはスペイン語の勉強になるかと思ったけど、しゃべるスピードが速すぎて全然わからんかった。
14.シティ・オブ・ゴッド(2002年ブラジル)
観賞日 H15.7.27(日) 劇場 六本木ヒルズ・ヴァージンシネマズ
監督 フェルナンド・メイレレス 出演者 アレシャンドレ・ロドリゲス、セウ・ジョルジ他
コメント いや〜前評判はダテじゃない。

ブラジル映画なんて、ローテクが味を出すような発展途上国系のムービーだと思ったら、とんでも無い。のっけのシーンだけで、吹き飛んでしまう迫力。初めてタランティーノを見たときのような興奮。おもちゃの鉄砲のように実弾で人を殺していく無邪気な子供達の姿が無茶苦茶刺激的。

リトル・ゼはまるで現代のリチャード三世だ。あらゆるものを利用し、なんら罪悪感を覚えることなく人を殺していく。そして行きつく先も・・・。ちがうのはゼがまだ少年ということだけ?残念ながら主役のブスカペはそれに比べるとちょっと影が薄いけどね。途中ちょっと作りが荒いしメリハリが無いようなところもあるんだけど、スタイリッシュで、スピード感があってスリリング。これは文句無くスゴイ作品だ。

「神の街」で繰り返されるこの世の生き地獄。たんに嫌いだから、あいつスカシてるからっていうだけで子供が子供を射殺する現実。ちんたらボサノバなんて聞いてる場合じゃないぜ!これがブラジルの現実ってやつだ。
13.少女の髪どめ(2001年イラン)
観賞日 H15.7.20(日) 劇場 飯田橋ギンレイホール
監督 マジッド・マジディ 出演者 ホセイン・アベディニ、ザーラ・バーラミ他
コメント シネマライズ渋谷でやってたのを見逃してここで鑑賞。
まぁだいたいのストーリーはすでに知ってた。それをなぞるような感じになった。イスラム世界の話なので恋愛感などはちょっと理解しづらいところがある。日本人だったら一目惚れであそこまで追いかけたりしないだろうし、もちろんあそこまで尽くしたりしない。イスラム世界の直情突撃男ラティフの一途な愛。そしてアフガン難民の少女バランの難民ゆえの苦しみ。ラティフの献身とは裏腹に現実は容赦無く2人を引き裂いていく。

メインストーリーには感情移入しづらい部分もあるのだけど、背景に流れる貧しいイスラム社会やアフガン難民の問題など、この作品の投げかけるものは大きい。そして細かいところでイスラム社会のちょっとした優しさを見ることもできる。僕は典型的な無宗教人間だけど、「宗教は人を優しくする」っていうのはあるかもしれないと近頃思う。

作品としては「運動靴と赤い金魚」ほどでは無いなぁという印象。今回は文化の違いが大きすぎて興味深くはあったけど、共感を抱ける部分が少なかった。だが、まぁイスラム世界を理解する上で映画は重要な手段だ。もっとこういった文化的な交流が深まっていけばいいなぁと思う。
12.おばあちゃんの家(2002年韓国)
観賞日 H15.7.5(土) 劇場 新宿文化シネマ
監督 イ・ジョンヒャン 出演者 キム・ウルブン、ユ・スンホ他
コメント う〜ん、やられた。
これはやられた。

韓国で映画史上7位の記録を達成した作品だそうだが、どうしてこれが7位になってしまうのだろう?とにかく地味で穏やかな渋すぎる作品だ。同じ作品を日本人キャストで日本で公開しても一部のファン以外、客は来ないだろう。こんな作品に客が殺到してしまう韓国という国はスゴイ。今日初めて日本の映画レベルは韓国に劣っているのではないかと思った。

とにかく見事というしかない。ストーリーは比較的ありふれた話だが丁寧つくりこまれ、すみずみまで過不足無くきっちり計算されてるし、キャラの設定も見事。おばあちゃんは素人とは思えない神業のレベルだし、子役の小憎らしさも見事。おばあちゃんは言うまでも無いが、この子役の演技が作品のレベルを上げている。エンディングの過剰な演出の無いさりげなさなどまさにシド好みとしか言いようが無い。

僕は「北京ヴァイオリン」よりこっちを買う。肌ざわりとしてはキアロスタミ作品に近いか?もともと韓国嫌いだったもんで、今まで韓国映画を見ずに来たが、これからは認識を改めねばなるまい。さすが岩波ホールで公開してただけのことはある。う〜ん、やられた。
11.マトリックス・リローデッド(2003年アメリカ)
観賞日 H15.6.28(土) 劇場 新宿東映会館
監督 ウォシャウスキー兄弟 出演者 キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス他
コメント さ〜てマトリックス。いまやほとんど見る価値の無いハリウッド映画において、数少ないおもろい作品。チャーリーズもT3もどうでもいいけど、これは見逃せません。

さて、そんなマトリックスの2作目。噂どおり複雑でオタッキーな世界構成はついていけない人もいるようで、隣に座っていたカップルは上映開始からしばらくして、出ていってしまいました。まぁ複雑は複雑ですけど、アクションシーンがかなり多いので、あまり気にしなくても楽しめます。

作品はねぇ。今回はちょっとイマイチじゃなかろうか。なんつうかアクション・シーンが長すぎる。数が多すぎて気持ち悪いエージェント・スミスとの一戦やカーチェイスにしてもそう。その分本筋の見せ方を工夫したほうが良かったんでは無かろうか?過程の説明や人間関係はかなりオマケ状態。やっぱ全体のバランスが悪かった。

ま、どっちにしても最終章も見るけどね。なんだかんだ言うてもすごい作品ではある。
10.ホテル・ハイビスカス(2002年日本)
観賞日 H15.6.15(日) 劇場 シネマライズ渋谷
監督 中江裕司 出演者 蔵下穂波、照屋雅雄、余貴美子他
コメント そうか〜シネマライズでやるのか、とちょっと不思議な感慨。ここはなんたってミニシアター系の殿堂だし、ここでやるやつはそれだけで見る価値がある。「ナビィの恋」の評価がそこまで高かったということなんだろうな。

今作は前作に比べると残念ながら落ちると思う。つくりが散漫で前作のように感情移入しづらいのだ。キャラは相変わらず絶品なんだが、いかしきれてない。能登島君の存在価値が見えず。お父さんもナイスなキャラなんだからもうちょっと見せ場がほしかった。あと、どうも今回沖縄の空の色が印象薄かった。前作のキラキラするような、風景だけでイッてしまうようなそんな感じが無い。

そうやって見てると惜しいところだらけの作品なのだが、それでもやっぱりこの作品は好きだ。というか好きにならずにおれないような魅力にあふれてる。中江監督ってずるいなぁと思う今日この頃。

そうそうナビィ恋の主要キャラも大活躍だ。やっぱりおばあの平良とみは主要キャラだが西田尚美や村上淳、忘れちゃいけない登川誠仁なんかも美味しいところで顔を出してる。
9.北京ヴァイオリン(2002年中国)
観賞日 H15.5.11(日) 劇場 ル・シネマ
監督 チェン・カイコー 出演者 チャオ・リン、リウ・ペイチー他
コメント チェン・カイコーと言えば「さらば、わが愛 覇王別姫」が有名だ。この作品でチェン・カイコーを知った人は多いだろうし、これは中国映画史上のみならず映画全体からみても燦然と輝く金字塔の一つだろう。さて、それから10年経った。その間、この監督はハリウッドに進出した。その後再び中国に戻って撮ったのがこの本作だ。

「覇王別姫」は重厚で緻密な作りと切迫感で、ぐいぐい押してくる作品だったが、それに比べると本作はずいぶん肩の力を抜いた作りになってると思う。ユーモアセンスも随所に見られ、映像にも都会的なセンスが感じられる。同じ北京を撮っていても同じく第五世代監督チャン・イーモウとはまた一味違う。登場人物の設定も面白い。

ストーリーは、ひたすらチュンとリウ親子の苦労話で進むのかと思いきや、現代的な女性リリや才能がありながら、社会の歪みに直面した挙句ちょっとひねくれてしまった感じのチアン先生など、なんか主役よりも魅力的っぽいキャラとそのサイドストーリーもついて飽きさせない。

ただ、映画にはめっぽう涙もろい僕なのだが、この作品には涙腺はピクリともしなかった。どうにも甘い。むろんフィクションの世界なのだから、当然そういうのもありなのだが、実際にコンテストに出場しそれに勝ち抜いていくには、チュンの敵役リンぐらいの精神力が必要だし、リンとて孤児には無いにしても親元から離れてしっかり生きている。ずいぶん憎たらしく描かれてはいるが、努力は自分の方が上なのに才能で敵わない相手に精一杯対抗していたに違いない(サリエリみたいだ)。チュンもこの後田舎で親と一緒に暮らしてどうなるというものでもあるまい。確かに13歳の年齢には酷だが、考えてみればこのぐらいの年で全寮制の学校に入ってる子供だっているわけだし、遅かれ早かれ子供は親から離れていかなければならないもの。チュンは人もうらやむ才能を持っているのだし、家族の絆は別の形で見せるとしてこのオチは勘弁して欲しかった。

ラストの見せ方も見事、エンディングへの持っていき方も宮崎映画ばりに過不足なし。ベースとなるレベルは高い。それだけにどうにもあのオチが痛かった。
8.24アワー・パーティ・ピープル(2002年イギリス)
観賞日 H15.4.20(日) 劇場 シネセゾン渋谷
監督 マイケル・ウィンターボトム 出演者 スティーブ・クーガン、アンディ・サーキス他
コメント マンチェスター。ちょっと気の効いたロックファンならその名前を聞いただけで、いくつかのバンド名が浮かぶであろう、ロックシーンの中で重要な役割を果たす街。その街で、学歴をひけらかすすげ〜イヤな奴ながら、持ち前のパワーでロックシーンを仕掛けていくウィルソン。ストーリーはウィルソンの行動を軸にマンチェ・ロック・シーンを描いていく。ロック界のインテリ雑誌、「ロッキング・オン」なども当時おマンチェブームで盛り上がっていたものだが、これを見るとその裏側というか実際のシーンというものの空虚さや熱気みたいなもんがよくわかる。

監督のウィンターボトムはとても好きな監督で、長編作品ならほとんど全て見たことある。個人的なベスト1は「ひかりのまち」で、これは自分の中の全映画ベスト10にも入るとても好きな作品だ。基本的にこの監督は事象を余り抑揚なく淡々と追いかけるのが得意で、ために散漫な作品が出来上がりやすいのがタマに傷だ。残念ながらこの作品もちょっとその傾向がある。それにこの監督なかなかのロック好きらしくロックファンで無いと少々とっつきにくい内容になっているのも確かだ。

だが、ウィルソンみたいな男がいてもいいように、こんな作品があってもいいではないか。無論ウィンターボトムはウィルソンなんかよりはるかにマシな人間だし、何よりこの作品はおもしろい。
7.ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年カナダ)
観賞日 H15.3.30(日) 劇場 恵比寿ガーデンシネマ
監督 マイケル・ムーア 出演者 マイケル・ムーア、チャールトン・ヘストン他
コメント やるね〜。見事見事。このご時世なんてタイムリーなんだろう。アメリカを理解する上で必見でしょう。

なぜアメリカだけが毎年銃犯罪による死者が多いのか?いろんな理由をつけてみんなで漠然と納得していた問題に鋭くメスを入れる。カギになったのは1999年のコロラド州コロンバイン高校での銃乱射事件、犯人は高校生2人、このとき12人の生徒と一人の教師が死亡23名が重傷を負った。

過激な映画?ビデオゲーム?人種のせい?武器普及率の高さ?それともマリリン・マンソン?みんなそれぞれに理由をつけて納得していたこの問題にマイケルはいとも簡単に「ノー」と突きつける。

ただの銃問題だけじゃないのだ。そこからアメリカが長年抱えてきた見事に病根が浮き彫りになってくるのだ。もちろん今のイラク戦争理解の一助になることも請け合い。思ったほどは笑えなかったが、この手の人間が嫌いなはずの僕も共鳴。学校で見せてもいい。

しかしこの中のチャールトン・ヘストンは醜悪だ。こんなやつがモーゼやベン・ハーやってたなんて、がっかりしてる人も多いのでは?
6.アザー・ファイナル(2002年オランダ・日本合作)
観賞日 H15.3.16(日) 劇場 シネクイント(渋谷)
監督 ヨハン・クレイマー 出演者 ブータン・モントセラトサッカーチーム他
コメント ご存知サッカーワールドカップ世界最下位決定戦。日本でもそれなりに話題になった。これはそのドキュメンタリー。

今日はちょっと動きすぎて、映画を見るにはちょっと疲れていた。おまけにこの映画ひたすら淡々と流れていく作品で・・・。1/3ぐらい寝てしまった。あ〜あ。

きっかけは自国が予選敗退して腐っていた一人のオランダ人。インターネットでFIFAのページのランキング表を見ていて思いついた。この人のすごいところはそれを両国を始め、関係個所に働きかけついに実現させてしまったことだ。

作品中にも何度もコメントが出てくるし、見た人みんなが言うだろう。だが、それでもやっぱり素晴らしいのだ。この貧しくて用具や競技場さえろくに無い人たちが、こんなにもサッカーを愛していているということを。

真っ白サッカーボールは商業主義にまみれていないことの証。この試合は入場無料だった。試合はブータンの完勝だったが、そんなことはどうでもいいのだ。おおよそかかわりなど無さそうなこの2国の間でこんなに素敵な交流がはかられたことが奇跡だ。いつかブータンも訪れてみたいと思う。

「この映画が終わったら外に出てサッカーをしよう!」エンディングに流れたクレジット。ブッシュもフセインもこのごたごたが終わったら一緒にサッカーの試合をすればいい。
5.裸足の1500マイル(2002年オーストラリア)
観賞日 H15.3.9(日) 劇場 シネスウィッチ銀座
監督 フィリップ・ノイス 出演者 エヴァーリン・サンビ、ローラ・モナガン他
コメント 実話に基づいたドキュメンタリータッチな作りなのでストーリーはいたってシンプル。作品のかなりの時間をひたすら歩きつづけるだけなのだ。

舞台は1930年代、アボリジニ保護のもとに原住民を白人化させる政策がとられていた。アボリジニと白人の混血の子供は有無を言わさず家族から引き離され、遠く離れた収容所のような施設に入れられ、そこで白人としての教育を受けた。

モリー、グレイシー、デイジーの3人の女の子(姉妹+従兄弟)は捕らえられ1500マイル離れた施設に送られた。でも施設での生活に全くなじめない3人はある日施設を脱走し故郷を目指す。賢いモリーの機転で、容赦ない追跡の手を逃れ女の子達は少しずつ故郷に近づいていくのだが・・・

単調なストーリーでありながら観客を惹き付けるのは、カメラワークの上手さだと思う。そう誰あろうクリストファー・ドイル。ウォン・カーワァイ作品で知らない人はいないだろう。撮り方はずいぶん違うが達人はどんな環境でもそつなくこなすらしい。

もう一つ素晴らしいのはモリー役のエヴァーリン・サンビ。何者にも動じない意思の強い目はそれだけで存在感がある。この子ならほんとに1500マイル歩ききってしまうかもしれないと思わせる説得力がある。もう一人いい味出してたのが追跡者役のデビッド・ガルピリル。アボリジニの人々はさすが大地に足をつけて生きてきただけあって、自然の中では黙っていても存在感がある。

白人って世界中どこに行っても自分の文化を押し付ける。生み出したものも大きいが失ったものもはかりしれない。自覚しろよな。
4.黄泉がえり(2002年日本)
観賞日 H15.3.9(日) 劇場 シネ フロント(渋谷)
監督 塩田明彦 出演者 草なぎ剛、竹内結子他
コメント 話題になってるし、涙モノは嫌いじゃ無いので行ってみた。もともと3週間の限定公開のはずが好評なもんで、ずるずる期間延長してるのだが、そんな消化試合のような状況なのにお客さんよく入ってる。

死んだ人間が突然帰ってくる。人の死をテーマにするのは明らかに禁じ手。今作はまさしく禁じ手そのもの。だから見るにあたっても割り切りと開き直りが必要だ。「それでも好きなんだから」で見る。

ちょっとエピソード入れすぎたな。製作者もわかっててやってるような気がした。「バトルロワイヤル」じゃないけど、もうちょっと減らせなかったのだろうか?サイド・ストーリーの方が役者が実力派ぞろい。田中邦衛のストーリーだけで一本撮れそう。なんとももったいない使い方してる。RUIもねぇ、かなり詰め込んでるよな。歌のシーンに説得力が無いんだよな。

すんなり流れるストーリー群の中にイレギュラーが一本。これがストーリーの核になる。あのしかけ気になってたのにな。画面の端に不自然なくらい唐突に入ってきた大型トラック。すぐ画面が切り替わったのでそのままストーリーを追いかけてしまったが。

人の死は辛い。だがこの作品は黄泉がえってきた死者を媒介に今を生きている人たちを浮かび上がらせている。ネガティブに終わらせてはいない。人はやはり生きてこそなんぼなのだ。
3.戦場のピアニスト(2002年ポーランド・フランス合作)
観賞日 H15.3.3(日) 劇場 新宿スカラ
監督 ロマン・ポランスキー 出演者 エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン他
コメント 昼間は立ち見も出てたようだけど、さすがに日曜の最終回ともなるとガラガラ。もっとも超硬派なこの作品がそんなに混み混みってのもちょっと不自然だけど。

すごい作品だった。確かにすごい作品だった。クスリとも笑えずとも、派手なアクションは無くとも2時間30分全く眠くならなかった。事前に聞いていたとおり確かにひたすら淡々と事象を追いかけていく。そこには監督の主観らしきものがほとんど見られない。

ドイツ侵攻下のワルシャワを逃げて逃げて逃げまくるピアニスト・ウワディク。ヒーロー的な活躍など一切無く、ただただ運命に翻弄されていく。これで最後だと思うと、ぎりぎりのところで救いの手が伸びる。こんなことが何度続いただろう。神は彼に安易に人生を終えることを許さない。こんなことならいっそ収容所に行った方が良かったのではないかとさえ思わせる。街の8割が破壊されてしまったワルシャワの壮絶な風景(すごいセットだ!)の下ウワディクの必至の生存行は続く。

すでに何度も使われてる表現だが、確かにここには必要以上に誇張された善悪の表現は無い。ナチス・ドイツは確かに悪いものとして描かれているが、そこにも良心のある人間はいたし、逆にゲットー(市内のユダヤ人が隔離された区画)内部にも仲間を売る奴はいくらでもいた。ドイツ軍の中にもナチスという時代の狂気に疑問をもちながらも従わざるを得なかった者は少なからずいたであろう。最後の方で捕虜になったドイツ兵達が、一箇所に固められてるシーンが出てくるが、その顔にはもはや狂気などみじんも無い。その表情は、自分達のこれからの運命に対する不安で覆われ、なんとも頼りなげだ。

この作品に勝利者はいない。戦前も戦後もウワディクの演奏は変わらない。ポーランドはこの戦争後もソヴィエトからの圧迫に苦しみ続けることになる。なぜこんなにまでして人は戦うのだろう?決して解けることの無い無限迷路だ。

クライマックスのピアノ・シーンはもちろん良かったが、キャラメルのシーンや収容所に送られる途中で、妹と「もっとたくさん話しておけば良かった」とぼそっと語るシーンなど、前半部分にも見所のシーンが多い。確かにこれは必見の作品だと思う。
2.小さな中国のお針子(2002年フランス)
観賞日 H15.2.22(土) 劇場 Bunkamura ル・シネマ
監督 ダイ・シージエ 出演者 ジョウ・シュン、チュン・コン他
コメント 中国映画だと思ったら実はフランス映画。そうは言っても中国が舞台で中国人の監督。スタッフも中国人が多いのだから中国映画と言ってもいいと思うんだけど、そこは中国、いろいろややこしいらしい。中仏合作ですらない。

ヒロインのジョウ・シュンって誰かに似てると思ったら永作博美に似てるのだ。ちょっと童顔なんだけど、アジアの美人の感覚はそう違わないもんらしい。日本人から見ても魅力的な女性だ。

文化大革命の下放政策とか設定はちょっと今風では無いけど、別にドキュメンタリーでも無いし、文革自体を標的にするというより、文革を利用した舞台設定をしてるといった感じ。人跡未踏の山の地に矯正のため送り込まれた青年二人が、その土地のお針子の美しい女性に出会い、不思議な三角関係を築いていくのだ。

思ったよりもあっさりしていた印象。ちょっと最後はあっさりし過ぎたかなぁとも思う。でも全く眠くはならなかった。個人的にこういう作品が好きってこともあるけど、作品としてはバランス良いし、最近のBunkamura中国系?にははずれが無い。

チェン・カイコーの新作「北京ヴァイオリン」の予告編が流れてたが、これもぜひ見たいと思ってしまう、よく出来た予告編だ。
1.8人の女たち(2002年フランス)
観賞日 H15.2.16(日) 劇場 シネマライズ渋谷
監督 フランソワ・オゾン 出演者 カトリーヌ・ドヌーブ、エマニュエル・ベアール他
コメント いや〜、女って怖い。
そして男って悲しい・・・


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