演劇


2000年8月
1.キャラメルボックス「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」
8月19日 サンシャイン劇場

キャラメル15周年記念第1弾。
いや〜、泣けました。キャラメル史上でももっともたくさん人が死ぬというこの作品は、しかし何人死んでもやっぱりキャラメル節全開。何時見ても元気がでるね。でも実を言うと「ほしみ」の話は好きだったけど、「鉄平」の話はあんまり好きじゃなかった。鉄平せつなくって。あれはあやめにも責任あると思うぞ。ま、でもなんだかんだ言っても最後は素敵な夏の風が客席まで届いたとさ。

2.阿修羅城の瞳
8月24日 新橋演舞場


面白かった!!爽快!!豪華なキャストにも満足。渡辺いっけいってやっぱりすごいね。キャラ的には平田満の阿部晴明もどきが人間臭くて好き。あと笑死役の新谷真弓の存在感はピカイチ。好きな粟根まことはイマイチ印象薄かったのが残念。

3.ナイロン100℃「NICE AGE」
9月2日 本多劇場


いや〜長かった。腰が痛くなった。やっぱり3時間以上座ってるのは辛かった。

タイムスリップものというのは、「過去や未来に行った人達がどうやってその時代の自分に会わずに、不必要に歴史を変えることなく目的を遂げるか」みたいな「バック・トゥ・ザ・フーチャー」的な展開が普通なのに、ま〜会うわ変わるわの何でもあり的世界。仲の悪い5人の家族がそれぞれ過去から未来へと旅をする。
 
85年8月12日の日航機墜落事故で死んでしまった長姉想子を一つの軸に、そして64年では一家の父時雄が子供時代から肩入れしてきた売れない芸人神田正をもう一つの軸に、戦時中まで舞台を広げて、タイムスリップの旅を刻んでいく。しかし時空を管理している未来の組織は、どんどんゆがんでいく歴史に危機感を感じある計画を実行に移す。

こないだのMOTHERのときもそうだったけど切れ味のいいギャグ満載とはいえ、3時間以上もやられるとちょっと飽きる。もっとコンパクトにまとまってたらもっと良かった。でもさすが安直な終わらせ方をしていないし、最後のオチもなかなか。なんだかんだ言ってもけっこう硬派な作り。最後の方に野田秀樹という名前が出てきたが、やっぱりけっこう意識してるのかな?

4.東京オレンジ「虹」
9月3日 シアターアプル


実は、この日は映画を見に行ったのだ。しかし定員入れ替え制の映画はすでに一時間前でも満員になっており、とっさに「ぴあ」で近場の面白そうなのを探したところ、新宿シアタートップスでやってるこれが見つかった。予想していたけどチケットは通路(に座布団敷く)席しか残ってなかった。全く問題なくOKだったけど。会場案内は丁寧で良かった。

登場するのは地球に流刑になった3人(じょうろ星人、雨傘星人、自転車星人)の宇宙人とその監督官(そろばん星人)。3人過去の記憶が全く無い状態で地球人に生まれ変わって2つの課題のどちらか一つでもクリアすれば故郷の星に戻れるんだけど、この課題が、30年のうちに1.恋をしないこと、2.完全な半円の7色の虹をつくること。そろばん星人が担当になってから誰も達成したことが無いという。
 
あと一週間で3人そろって1番目の課題を達成というところまで来て、あろうことか三人とも一人の女性に一目ぼれしてしまい、あえなくアウト。もうひとつの課題にかけることになるのだが近所の原子力発電所で事故が起こってしまい.....。

中身はまずまずだった。思っていたよりちょい下かな。なんかギャグ系がイマイチ寒くって、見てて乗り切れなかった。面白い話だったけどね。次回作に期待!!

5.猫のホテル「苦労人」
9月9日 ザ・スズナリ

う〜む、う〜む。劇団も話も何の予備知識も無く行ったのだ。満席でキャンセル待ちでなんとか入れて、狭い通路を半分ふさぐ形で小さくなって座ったのだ。イスも堅く見る姿勢が万全では無かったのだ。にしても理解できなかった。話がねぇ....散漫で、主役すらよくわからん。あんなに時代が飛んじゃう必要全く無かったのでは。

江戸時代以前なんてどうせ大したこと描いてないのだから、もっと絞り込んで欲しかった。キャラの中には個性的な人がいるんだから、主役を固定してきっちり描いて欲しかった。なんであんな印象の浅い描き方になるんだろう。役者のガッツは随所に感じられるのに。あれでは新しいファンは開拓できないぞ。

6.キャラメルボックス「また逢おうと龍馬は言った」
9月10日 シアターアプル

すごい人だった。
上川隆也が出なくても、西川浩幸が出なくても、大森美紀子がでなくても、これだけ人を集めてしまうってのは本当にすごい。層の厚さを感じますね〜。いまどきの巨人軍のようです。
 

2本連続公演の2本目だけど、「カレッジ・オブ・ザ・ウインド」ニ比べるとこちらは動きが激しいアクション系。去年の冬の「キャンドルは燃えているか」に近い感触かと思ったけど、最後はなかなか泣かせた。途中までは「カレッジ・・・」のが上だと思ってたけど、最後の締めが良かった。最初から最後まで涙うるうる系もいいが、最後にきっちり泣かせるってのもいい。NODA・MAPはいつもそうだな。岡本、誠実だった。迷いながらまっすぐに生きようとし、努力していた。キャラメルの演劇はいつも元気が出る。明日もがんばろうって気になるなぁ。

7.NODA・MAP番外公演「農業少女」
9月24日 シアタートラム

「農業」、東京から忘れられたもの。そして20世紀において初めて世の中の中心では無くなったもの。今回の野田秀樹は農業に焦点をあてた。そしてさらにもう一つのテーマ「ロリータ」を。

日本のどことも知れぬ農業という名の駅にいつものように立った百子はふっと思った「このまま東京に行ってみようかな」百子は学校に行くために降りるはずの駅を通り過ぎる。


今回は番外公演だけに出演者もぐっと少なめ、野田秀樹、深津絵里、松尾スズキ、明星真由美の4人。みんなNODA・MAPではお馴染みの人達だ。会場も「RIGHT EYE」に続いて三軒茶屋のシアタートラム。かなり小さい。今回は会場の中央にステージを、その両側を客席がはさむという、凝った作りになっていた。

一番素晴らしかったのはやはり深津絵里だ。どんどんすごい役者になっていく。切れ具合も、踊りも、ついでに色気もてんこもり。ほんとにいい役者だ。他の役者は言うまでも無い。少し明星真由美がおさえ気味に感じたが。

ストーリーは今回思ったよりひねりが無かった。いつものような派手な場面転換が無くそのぶんわかりやすかったが、今ひとつ感動が少なかったような気もする。悪く言ってしまうと随所に野田的な仕込みはあるものの、本質的には普通の話だったという気がする。野田で無くても書けた話のようなそんな感じ。あとツツミのキャラ設定があまりにも複雑だったのは難点だったかも。ま、平均点をクリアしていることは間違いないし、また来年2月にある公演を期待して待つことにしよう。

8.ウーマンリブVOL.5「グレープフルーツちょうだい」
10月1日 シアタートップス

劇団「大人計画」がらみの演劇は「キレイ」が初めてだったが、あれは外部の人もかなりはいってた。今回も「「大人計画」の本公演では無いけれど主要な役者は「大人計画」の人達だから、なんとなく初めて「大人計画」の演劇を観たような感じかな。

阿部サダヲはNODA・MAPの「ローリングストーン」の印象が強いんで、もともとはこんな切れた演技する人だったんだと納得。最初きっついと思っていたギャグの嵐も後半になって飽きるどころかむしろしっくりきた。若くて可愛い女の子が登場するとあらゆる設定が飲み込まれていくところが男の悲しさやねぇ。あやしいイラン人もいい味出してた。キアロスタミ、ネタにされてましたねぇ。「友達の家に忘れ物を届けるだけで映画になってしまう国」笑っちゃいました。

しかしやたらとブラックなラストだった。ま、シャレみたいなもんか。そういや、なにがウーマンリブなんだろう?あの禁酒ネタの何が?ま、いいか、おもしろかったし。

9.にゃおにゃおProject「少し女」
10月6日 シアターモリエール


会社にこの劇団の関係者と知り合いの人がいて、ヒマだったのでつい引っ張り出されてしまった。いつも見ているものより一段マイナーだけど、なかなかよく出来ていた。作、演出はナカヤマカズコというちっこい女性だが、なかなか芸達者なところを見せる。
 
生演奏つきっていうのは随分贅沢だ(しかもウマイ)。客もよくはいっていた。登場人物のネーミングとかちょっと作りに少女マンガっぽい雰囲気が感じられたところが難点かな。あと男性の描き方はやっぱり女性の視点だなぁと思うところがあった。そういえば男性が一人しか登場してなかったけど、まぁナカヤマさんの役はともかく、他の男性の役はヘタに女性にやらせるよりももやっぱり男性にやらせたほうがいいと思った。

10.加藤健一事務所「ラン・フォー・ユア・ワイフ」
10月7日 本多劇場

加藤健一事務所の作品を見るのはこれが初めて。今回はなんといっても西川浩幸
が客演しているのが大きい。
 
作品自体はさすがもともとが洋物らしくしっかりしてた。妻が二人いて二重生活を送る男が、とある事件をもとにそれがばれ始め窮地に陥っていく。それに2階のプータローの住人がからんで話がどんどんおかしな方向でjへ。ほんとに少なくとも10回は、ばれてるはずなのに何故かしのいでいってしまう。しかもそのたびに混乱ぐあいも大きくなって・・・・・・
 
さて期待の西川浩幸はというとこれがぶっとんだ役で、登場シーンからあっと言わせた。というより後ろの方の席だったもんで一瞬誰かわからなかった。客演だからやりたいこと思いっきりやったなって感じ。
 
でもすっごいよく出来たコメディなんだけど、同じコメディでも個人的には先週の「大人計画」の方が好きかな。なんか完成されちゃってるせいか、スリリングな魅力が無いんだよね。ま、体調がイマイチだったってのもあるのかもしれないんだけど。西川浩幸もかっこうほどにしゃべりの方は目立つものが無く、やっぱりキャラメルやってるほうが断然いいなって感じ。
 
あとこれ言っちゃうともとも子も無いけど加藤健一さんってそんなにすごいのだろうか。今回は普通の人だからってことでわざとそういう風に演じていたのだろうか?なんか華が無いんだよね。一人芝居だと印象が違うのかな。ううむ次回はどうか。


11.遊◎機械/全自動シアター「メランコリーベイビー」
10月14日 青山円形劇場

チケット一般発売で玉砕し、当日券でなんとかもぐりこんできた。実はここの作品見るのも初めてなんだけど、人気あるよねぇ。なにがどうすごいのか良くわかってなかったけど、「オケピ!」に白井さんが出ていて、あの出演者の中では一番良かったように思うので、そのあたりに惹かれてちょっとがんばってみました。
 
青山円形劇場は6月頃のMOTHERの公演以来だけど、ここの劇場はシアタートラム同様広くないし、役者を近くに感じられていい。

しかしこの劇団はこのせまい空間にまた随分凝ったセットを作るもんだ。会場全体がいつも観る演劇とちょっと勝手が違う作り。ムットーニの人形が飾られ、それだけですごい雰囲気がある。舞台は全体をムットーニという自動人形師が自ら製作した機械人形とともに話の大枠をしきり、筒井道隆が
中心になって小さな客の入らないジャズクラブで出くわす人々の過去を描き出していく。

音楽がまた素敵なジャズをふんだんに使っていてこれが雰囲気作りに一役買っている。ま、ちょっと眠くなることもあるけど。筒井道隆君のあのいつもながらのちょっと頼りなさげなキャラもよくはまってました。またムットーニという人は全く知らなかったけど、やっぱり最初からこの人中心の内容を考えただけあって、特異なキャラだけど全く違和感無くはまってたような気がする。

後半はちょっと単調な展開で他の作品は知らないけど、これがこの劇団のベストでは無いんだろうっていう気はした。でもあの雰囲気は気にいってしまいました。人気あるのも納得。ずっと行きたくなる劇団だ。


12.リリパットアーミー「獅子の嗣子〜月華〜」
10月15日 本多劇場


関西の劇団やなぁ。登場人物みんな濃いし、ファッションセンスはきっついくらい派手やし....。しかしおもしろかった。姿勢がいい。なんかみんな一生懸命ってのが伝わってくるもの。菊の助も良かったが、情死郎のキャラはそれっぽくてもっと良かったかな。ほんとコテコテ。内容も小難しいところは一切無し。エンターテイメントとして徹底している。さすがに最後のつくりはあまりに予定調和しすぎで「おいおい...」だったけど。これも関西ノリ?

なんか演劇終わったあとのコング桑田のノリが一番おもしろかったような気もするが。

平日のチケットは意外に売れてないらしい。これ読んだ人は是非行ってみてください。おもしろいよ〜。最後に何故か「ちくわ」ももらえるし。

13.カムカムミニキーナ「ああ、しんどう」
10月22日 シアターサンモール

この劇団のは前作「真夏の大回転」以来二回目。もちろんこれもNODA・MAPからひろがっていったもの。

前回もわからなかったが、今回もやっぱりわからなかった。でもわかりにくいのは最近流行んないのかねぇ。千秋楽前というのにけっこう空席があった。そういえば今回は八嶋智人出てなかったなぁ。

今日は体調も悪かった。途中思わず眠ってしまった。演劇で寝たのは「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」以来だ。悪いことだらけみたいだが、んがしかし、わからんなりにも今回はなかなかの傑作と見た。

砂漠の真中に忽然とある学校。そこで学ぶ怪しげな先生と生徒達。そんな人たちが宿命とそれに振り回されていく様を、松村武は残酷なまでに冷徹に描く。演出では、白い布を使った風や、砂虫など思わず唸ってしまうシーンが続々。

できればもう一度見た方がいいんだろうな。でもあと一日......

14.東京ヴォードヴィルショー「龍馬の妻とその夫と愛人」
10月28日 本多劇場

チケット一般発売ではあっさり玉砕。でもたいてい当日券があるのが演劇のいいところ。先日遊◎機械シアターで苦戦した経験が頭をよぎり、当日券発売開始2時間前に並んでしまった。三谷幸喜の新作でもあるしあのチケットの売れ行きを見ればもう少し並ぶかと思ったが、意外に少なかった。今思えば30分前でも良かったような気がする。
 
このタイトルってやっぱピーターグリーナウェイの傑作のパロディ?
 
そういえば竜馬の死後ってあまり聞いた事が無いな。竜馬とおりょうと言えば日本で初めて新婚旅行に行ったというからさぞや仲のいいカップルだとは思ってたけど、おりょうさんってこういう人だったのね。強烈すぎるキャラゆえに疎まれちゃって、最後は貧乏長屋暮らしで不遇のまま終わっちゃう。ありそうな話だけどね。

佐藤B作、あめくみちこ、平田満、佐渡稔の4人しか出ない作品だけど、客演で入ってた平田満がいい味出してた。平田満は新感線の「阿修羅城の瞳」でもすごいいい味出してたし、こういった気負わない、マイペースでひょうひょうとした役やらせたら素晴らしい。また見たいものだ

15.西田シャトナー作・演出「Believe」
11月3日 シアターサンモール

なんとなく行った。惑星ピスタチオは最後の作品「4人のN氏」しか見たことが無いが、よくわからなかったし、ちょっと散漫な作りであまり印象が良くなかった。

今回もあんまり期待してなかった。でもまぁ内容はわりとわかりやすかった。織田信長が天下統一を目の前にした本能寺の変の直前の頃、大雷の焼け跡から「チャート式日本史」を発見したところから始まる。そしてそれに呼応するかのように明智光秀が反旗をひるがえし・・・・・。

途中からぐちゃぐちゃになってくる。逃げる信長、追う光秀と怪しい忍術使いとなった荒木村重。柴田勝家はあっさり死んじゃうし、羽柴秀吉はなんと....。

中盤、展開は激しいのになんか眠かったのは単に残業疲れだけでは無いと思う。なんか一つ一つのシーンの描き方が雑。展開、シカケ等は十分おもしろいのに。

難解なストーリーならそれでいいのだが、今回のはそんなふうに作ってるわけでは無いみたいだし、話を客にわからせるという基本的なとこでなんか違うような気がする。どっか内輪ウケになってないか?

ラストはなかなか印象的。西田シャトナーはやっぱり凡庸な人では無い。それだけに中盤の展開が惜しかった。

16.劇団新感線「古田新太之丞・東海道五十三次地獄旅 踊れ!いんど屋敷」
11月5日 サンシャイン劇場

なげ〜タイトル、なめきったタイトル。中身もやっぱりタイトルどおりの内容。

いや〜感動しますねぇ。ここまでぶちかましてくれると。さすが新感線恐るべし。いいかげんに見えてかなり緻密な構成。やっぱ他の関西系の劇団と一味違う。サンシャイン劇場のクソ狭い座席で3時間半近くもやってくれたが(途中15分休憩あり)それでも耐えられたのはひとえに新感線だから。他だったら腰の痛みで発狂してたかもしれん。 

しかし「阿修羅城の瞳」とはまた見事に違う、ゆるゆるな内容だった。共通してたのはバックのロックミュージックぐらい。見事に80年代ぐらいのロックをパクってたな。今回は主要メンバー総出演ってことだけど、みんなのびのびといい感じだった。古田新太も羽野アキもやっぱりここでやるのが一番で、水を得た魚のよう。内容なんてほとんど無かったけど、笑わせるなら今年一番 ! ! なんたって一つ一つにのギャグにかける情熱の度合いが違う。ストレス発散をしたい人ならこれは絶対見るべき ! !

そうそう、粟根まことだけは他で客演してる方がいいかも。MOTHERのときの切れた演技をまた見てみたいなぁ。
 

17.カクスコ「借りたら返す〜レンタルショップ”USHIGAMI”の師走〜」
11月11日 シアタートップス


偉大なるマンネリ、劇団カクスコ最後のオリジナル作品だ。

劇団カクスコを見るのはこれが3回目、なんだか他の劇団とは一味違った、懐かしいにおい。別に目新しいことは特に無いのだが、他の劇団とは明らかにどっか違っていた。

スピードやセンスがものをいう小劇団系の劇団のなかで、ここはなんともゆっくりと時間が流れていく感じ。毎回、しっかりしたストーリーも無く、男6人が古い歌を歌ったり騒いだりして終わる。コーラスは素晴らしいが、それ以外は何が良いのかよくわからないままに取り込まれていく感じ。
 
そんなカクスコも来年いっぱいで解散だという。今回が最後のオリジナル作品で来年は旧作の再演をやるとか。解散の理由はメンバーの一人が止めて故郷に帰っちゃうから。一人でも欠ければ終わりだと公言していたとおり、それで終わりだという。そういうとこはいかにもカクスコらしい。そんな思い入れで生きて行けるのはとてもうらやましい。

最後だからといって特に新しい仕掛けも無く歌ったり騒いだりのおなじみのカクスコワールドだった。でも他には真似できないその作風は演劇界の寅さんたるにふさわしかったのに。

何にしてもお疲れ様でした。近藤さんも子育てが終わったら戻ってきて、また6人で何事も無かったようなカクスコワールドを作ってください。きっと何十年か後でも変わらず受け入れられるから。終演後、そう思った。

でも、まだ来年があるな

18.showcaseアンコール「パ・ド・ドゥ」
11月12日 俳優座劇場

このシリーズを見るのは前回の「ビューティフルサンデイ」に続いて2回目

感性にくるというよりは、わりと大人の演技で楽しませてくれるタイプ。今回は以前やったものの再演。

出演者は島田歌穂と京晋介の2人だけだけど、この2人が文句無く上手かった。役者の力量不足だと登場人物が多くてもなんか舞台がスカスカの感じがするけど、たった2人なのに隙間まできっちり詰まった感じ。見ていて安心感があった。

殺人容疑者の女性の弁護についたのがなんとその女性の別れた元夫という強引な設定だけど、それを無茶だと感じさせないところが上手さ。話はほとんどが接見室での2人会話だけで構成され、なかなか本当のことを言わない女性とそれに手を焼く弁護士の元夫という図式で進む。前半こそコメディータッチで随所に和やかに笑わせたが、後半は一転してかなり涙ものの展開になった。

最近、機械のように無機質な人間達が登場する恋愛小説(江國香織、有吉玉青)をたて続けに読んだせいか、この演劇での少しずつ明らかになっていく女性の悲しくて切ない思いとそれに動揺する正直で情にもろい元夫のかけあいは見ていて救われる気がした。これも上手い2人の演技あったればこそ。クライマックスの島田歌穂の演技はまさに迫真だった。

強く思う気持ちだってそれほど悪いもんじゃないさ。ねぇ

19.拙者ムニエル「星星瞳星キラリ」
11月12日 天王洲アイル スフィアメックス

本日2本目は典型的小劇団系。どういう劇団なのかよく知らないけど、なんとなくアンテナにひっかかってたのでがんばって天王洲まで行ってみた。チケットは予想通り完売だったけどなんとか舞台すぐ前の狭いところを確保できた。でもおかげでかなり窮屈な姿勢でみることになった。疲れた。

けっこうシュール。ギャグは面白い。でも最近この手のやつについていけなくなってるのかなぁ。全体の感じは今ひとつ。ううっ、僕もトシかねぇ。感性は伝わるんだけどさ。

ロマンチックという触れ込みだけど、そんなロマンチックだとは思わなかったな。なんかラストで強引に持っていった感じ。シュールなのとロマンチックは両立しないんだよ、やっぱり。そういえばケラリーノサンドロヴィッチの名前が出てくるシーンがあったが、目指すはやっぱりナイロン100℃か?

20.MOTHER若手自主企画公演「超老人介護宇宙戦艦シルバーフェニックス」
11月23日 中野 ザ・ポケット

劇団MOTHERの若手がやってる公演。こういうの見に行くようになると、我ながらけっこうマニアックだと思う。場所もけっこうマニアックだったぜ。

全体的にやっぱり若手って感じはあったかなぁ。傾向はMOTHERの本公演とそんなに変わんないけど。

若い頃の約束を果たすために二人の老人が宇宙船をのっとってしまう。約束をした後に事故にあいそれから100年間眠りつづけている春子との約束を果たすために。二人と病院のベッドで眠りつづける春子は、コンピューターでつながれた回線のなかで再会を果たす。しかしそんなことと関係無く政府の陰謀は進行し・・・・

この劇団のギャグって普通に聞いたらかなりさむ〜いのがてんこ盛りなんだけど、なんか間がいいのか、いい感じで笑えてしまう。今回の話は怒涛の泣きにも持っていける流れだったけど、なんか一貫して笑いでまとめた感じだった。最後のオチも良かった。作者の気合を感じた。

しかし河居綾子って本公演でもそうだったけど、なんかいつも存在感あるな。

21.キャラメルボックス「クローズ・ユア・アイズ」
12月2日 サンシャイン劇場

良かった。「竜馬」はイマイチだと思ったが、今回はまた気合の一発だ。
 
やはりこの劇団、まだまだすごい。今回は好きな西川浩幸抜きだけどそれでも良くできてた。あまりにもわかりやすすぎて子供だましと言われながらも、自分の道を信じて走りつづける劇団の姿はすばらしい。成井豊という人はやはりすごい。

今回はクリスマスといいつつ、実はそんなにクリスマスっぽく無い作品。いきなり死人が主人公というあまりにも強引な設定だけど、そこはキャラメルボックス。死人といえども誠実な主人公は、自分のことそっちのけで大切な人のために残り少ない時間の中をがんばっちゃうのだ。

ま、登場人物は多いし、ストーリーは詰め込み気味で、ちょっとはしょってるかな?という部分も無いことは無いんだけど、それはもう流れで一気に持っていってしまう。

ラストはほんとに泣ける。僕は主人公香取武三のとあるセリフで声をあげて泣いてしまって恥ずかしい思いをした。これはもう一回見てもいい。

22.にゃおにゃおProject「猫町横丁ランプショップVOL.2」
12月8日 シアターグリーン

2回目。オムニバス物。


今回は一貫して人の孤独に焦点を当てている。最初の何話かでSF的な展開も見せるけど、後半はわりと身近なストーリー展開。軸になるのは途中3回差し込まれるランプショップという電気屋?の親子のストーリー。

音楽と照明をたくみに使って、セリフよりもその間に孤独を浮かび上がらせる見せ方が上手い。ストーリーもなんというか目の付け所が鋭くって非凡なものを感じる。一つ一つの話にきっちりオチをつけてないところもいい感じ。

孤独をテーマにしてるとえてして情緒性、ノスタルジックに流れやすいけど、そういうところはなんか意図的に排除してる感じ。安易なエンターテイメントに走ってないというか、このへんも作者の意気込みか?そのぶん疲れてるときにはちょっと重いかもしれないけど。


役者としてはやはりナカヤマさんはちょっと別格という感じ。自分のキャラをそれこそ徹底的に生かした役作りは見事。あと名前わかんないけどランプ屋のオヤジや透明犬をやってた山崎まさよし似のお兄さんもどっかとぼけた味わいでいい感じだった。


23.青山円形劇場プロデュース「ア・ラ・カルト〜役者と音楽家のいるレストラン」
12月12日 青山円形劇場


タイトルには出てないが、これは遊◎機械/全自動シアターの演劇だ。毎年このぐらいの時期に開催され、今年で12回目を迎える。僕は初めてだけど、さすが12回も続けているだけのことはある。はっきり言って買い。まぁ、なかにはここの作品が合わないという人もいるだろうけど、ほとんどの人に当たりだろう。社会人対象で考えるならキャラメルボックスより汎用性が高いと見た。

一つのレストランを舞台におなじみ白井晃を初めとした実力派の役者がオムニバス形式でストーリーをすすめていく。かなりの部分にアドリブが入ってると思う。ときには客をも舞台に引っ張り出す。

演奏も豪華だ。バイオリンの中西俊博を初めとして錚々たるプレイヤーが主役の一人となって音楽を奏でる。もちろん表舞台にも登場する。「にゃおPro」は生演奏をあくまでバッキングとして使ってたが、こちらは対照的に全面的に前に出している。なかなかこういう対比も面白い。

役者の4人が、まぁいまさらなんだけど、やっぱり上手い。とにかく4人がそれぞれ個性的でそれぞれが看板しょえるぐらいのレベルなので、もうすみずみまで十分すぎるぐらいに行き届いた舞台だ。これこそ偉大なるマンネリになるべき舞台だと思う、もちろんいい意味で。

途中休憩をはさんで3時間弱。演奏も演劇ももう100%満腹というレベルまで持っていってくれる。くどいようだけど、やっぱり演劇好きな人なら一度は見とくべき舞台ですよ。これは。

唯一の難点。休憩のときに、気の利いたことにワインサービスがあるんだよね。ま、協賛にキリンさんがついてるってのもあるんだろうけど。でさぁ、僕酒飲めないんだよね。そんなやつがちょびっとでも酒いれちゃったもんだから、あらら大変。ラストの話がすっぽり抜け落ちてしまいました。ちょ〜くやし〜!!

24.キャラメルボックス「クローズ・ユア・アイズ」
12月13日 サンシャイン劇場

「クローズ・ユア・アイズ」2回目。一作品で2回というのはNODA・MAPの「カノン」以来で、これだけ回数見ていてもそうあるもんじゃない。まぁ泣けたということなら、過去見たキャラメル作品の中でも一番だ。

平日だというのに、空席ありってことだったのにかなり入ってた。出来の良さで巻き返してきたのかな。でもまたしても2階席だったのが残念だった。

2回見ると、これは野田秀樹でもそうだけど、さすがにギャグはつらくなる。だが感動はそのままだ。まったく武三という男は大した男よ。一番辛いのは、一番悲しいのは誰でも無い自分だってのに、この男はこの瀬戸際の間際でも、まったく気負いも無くごく自然に誰かのためにがんばってしまう。まぁ岡田達也のキャラも合ってるんだろうな。すっと伸びた背筋が心を映してるようだ。

まったく僕なんてまだまだ頑張りが足り無いな。まだまだ諦めるには早すぎぜ。

前説には上川隆也が出てきた。クチーナ・ミラノの前説で見て以来だ。またそろそろキャラメルの舞台にも出ないかねぇ。「あなた劇団員ですか?芸能人ですか?」と加藤昌史にからかわれていたが、そのうちほんとになりかねんからなぁ・・・・・。

しかしサンシャイン劇場の座席は狭すぎ。今日も足がつっかえて痛かった。あれは欠陥設計といってもいいぐらいのひどさだと思う。とにかく早急に改善して!!お願いだから。

25.竹中直人の会「隠れる女」
12月17日 本多劇場


すいません、疲れてました。気持ちが集中できませんでした。

竹中直人の演劇は初めて見に行ったけど真面目な人だねぇ。ちょっとずれてるところはあるけど。公演自体も予想以上にカタイ内容で、ちょい面食らってしまった。

竹中直人、小泉今日子、岸田今日子他全部で5人のキャラはみんなどっか変わっていて、特に今にも切れそうな危うさを漂わせる竹中直人といつもどっかしら怪しい岸田今日子のかもし出すオフビート感が常に全体を支配していた。

ま、あの二人に比べると小泉今日子は普通だったかな。しかしストーリーは最後までよくわからんかった。不条理劇というか・・・・・。なんか70年代ぐらいのにおいがした。

26.ランニングシアターダッシュ[REBIRTH」
12月23日 全労災ホール/スペース・ゼロ

今年最後になるかな。今年はいっぱい映画みたなぁ。50本ぐらいは観てるだろう。まぁ公言どおりいっぱい見たわけだけど、ちょっと見すぎたかもなぁ。仕事もしないで。

今年たぶん最後の一本は、初体験のランニングシアターダッシュ。キャラメル寄りの演劇かと思ってたけど、まぁ大筋では外れてない気はするんだけど、もうちょっとアートっ気もある感じ。

舞台を客席が四方から囲む形の構成はけっこう好きだ。やっぱり役者を近くに感じられる。でもここのはちょっと舞台まで遠かったな。そういう意味のメリットはあまり感じなかった。あとシンプルなステージ構成を意識していて、人をドアに見立てたりして工夫をしてるんだけど、ちょっとごちゃごちゃとわかり辛かった。あと最初全員でしゃべるシーンが長くって、強圧的な感じがしてちょっとひいてしまった。つかみは失敗してると思う。

そんなわけで、最初はどうなるかと不安いっぱいだったけど途中からだいぶいい感じになってきて、自然とひきこまれていった。運命に導かれるように2015年の世界から1985年の世界にタイムスリップした樹里はそこでライバル同士の劇団に所属する母と父に会う。そしてこともあろうに母と父を奪い合うことになる。ベースにあるのはロミオとジュリエットで随所に引用を織り交ぜながら公演演目の「ロミオとジュリエット」のケイコと実際の対立する2つの劇団に翻弄される母と父という2重のロミジュリが展開する。

樹里の下した結論は。

結局はこれしかないってところに落ち着くんだよね。やっぱり。でないと娘は生まれないし。ラストはちょっと強引に持っていっちゃったかな。樹里の心の動きはちょっとよくわかんなかったな。

役者の動きは良かったなぁ。ステップの踏み方とかすごいいい感じで、普段そういったところにあまり目がいってない僕でもついつい目を奪われた。すごい練習してるんだろうなぁ。

20世紀の最後にしてはちょい期待はずれな気もしたけど。まぁこんなもんでしょう。とりあえず来年もいっぱい見るぞ!!


27.泪目銀座「OVER THE CENTURY」
12月26日 シアタートップス

やはりというか・・・もう一本あった。まぁこの公演も前からチェックはしてたんだけど。スキをみて行ってしまいました。

実は泪目銀座って劇団名だとばっかり思ってたけど、違うんだね。元東京サンシャインボーイズの福島三郎が自分の作品を上演するために旗揚げした演劇ユニットってことで、役者は外部から引っ張ってくる。つまりNODA・MAPのような形式なんだな。

今日はれいによって当日券で、舞台すぐ前にベンチ式で急遽もうけられた席。そりゃもう舞台のすぐ側で役者は50pぐらいのところまで近づくし、場面によっては思わずのけぞったりして面白かった。でも見上げないといけないのとセットのベンチの後ろでやってることが見えないのが辛かったな。
 
さて内容はっていうと、これがまた見事にオーソドックスな作り。
舞台をちょうど100年前に設定し、現代同様新世紀目前という設定にしている。今回主役の村田雄浩は、ま、テレビでもおなじみの人だけど、人柄はいいけどキリスト教をほとんどわかってないにわか神父って役はとても彼のキャラにあってる気がした。あと女優がさすがにみんなきれいだったな。これは舞台に近い座席でもうけたぜ!!でも一番光ってたのは唯一の悪役「磯貝」を演ってた福本伸一という劇団ラッパ屋の人だ。この人のおかげで見せ方のハバが格段にひろがったって感じ。

年末ってのはどこの家庭でも紅白見て、年越しそば食ってみたいなお決まりの世界。演劇でもやっぱ最後はこんなオーソドックスなのがいいのかもね。見事なまでに予定調和な世界。泣いて笑って温かく。年明けてもやってるけど年末の方がいいかも。

舞台の中でこんな内容のこと言ってた。「20世紀は夢がある。いろんなこと考えられて楽しいじゃないですか。いろいろ考えてたら悩んでるヒマなんて無いですよ」今は不況だし、日本も自分の将来もそんな楽しいことなんて考えられない。でもこの当時だって日露戦争直前だし生活も教育もどんどん統制されていった時代なんだよな。要は気持ちのもちようか。暗い話題ばかりで21世紀はどうなるかわからんけど、「夢もって楽しくやりたい」そう思えた。
                       
  

    

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