1.空より来る 
その空港はとりとめもなく簡素としか言いようが無かった。いかめしい顔をした警察関係者と思しき人たちが、いくつかあるカウンターに陣取り、降りてくる乗客達を待ち構えていた。

だが、その強面とは裏腹に、誰もがきわめて事務的に、こんなことには全く興味が無いとでも言いたげに、飛行機から降りてきたさほど多くも無い、そしてその限り無くすべてが観光客であると思しき人々をさばいていく。

僕はそんな観光客たちの中にいた。

夜8時。1時間遅れでバンコクを飛び立った飛行機は、最近ではあまり見かけないプロペラ機だった。その60人ほどを載せた大して大きくも無い飛行機は、これもまた与えられたことはきっちりやりますと言わんばかりに、きっちり1時間遅れでシェムリアップ空港に着陸したのだ。

一言のやりとりも無いまま入国審査は終了し、何も無い空港を出ると、すでにあたりは暗闇に包まれていた。こんな時間でも客引きの連中はうようよしている。どこも変わらない風景だと思いながら、僕はその中に、待っているはずの旅行会社の人を探した。
 
ガイドの男性はソニアンと言った。21歳の若者だ。まだあまり上手くない日本語を、なんとかやりくりして伝えようとしている。

すでに20時をだいぶまわっている。首尾よく合流した僕は、そのまま旅行会社の車で市内にあるホテルへと向かった。 
● それは悠久の時間の中にたたずんでいた。人の心は移ろいゆくなかで、時を経て、それはなおそこにあった。
途中バンコクの空港にあった変な看板
右はシアヌーク殿下か?左は金正日の息子?
2.ヤモリ達
街灯も無い真っ暗な道のりをしばらく行くと、ほどなくシェムリアップ市街に出る。バイクと自転車が縦横無尽に駆け抜けていく。信号など全く無い。ここではクラクションが唯一の交通法規だ。

気温は確かに高い。しかし、このところの日本の猛暑に慣れていた僕には、さほど気になるものでは無かった。
いや、むしろ自然環境に恵まれている分、こちらの方が快適であったかもしれない。

めざすアンコールテンプルホテルは市街の真中にあり、繁華街にも比較的近い。部屋はコテージ風だ。さほど豪華では無いが、部屋には日本語で書かれた案内もあった。オーナーは日本人びいきのタイ人だという。 
3.アンコールビールのある風景
この日の夕食はカンボジア風アジア料理とでも言ったところか。日本の海苔を使用している料理があることからしても、日本人を意識した日本人向けの味付けがなされているようだ。

それでもココナツミルクをふんだんに使った、辛さの効いた料理達は美味だ。定番アンコールビールが彩りを添える。ビールが疲れた体にしみる。

シェムリアップの街をほどよく涼しい風が吹き抜けていく。そして一日目の夜が更けていった。
御存知「アンコールビール」
たくさんのヤモリ、どこかユーモラス


アンコールワットへ

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